Mezzoforte

最近よく聴いているのが Mezzoforte というアイスランドのフュージョンバンド。

古いバンドで、1970年代の終盤から1980年代にかけて世界でも日本でも、とても流行ったバンドらしい。

その頃の活躍は残念ながら知らないのだけれど、イトコのお兄ちゃんがレコードを持っていたりするので、日本でも一大ブームだったことは間違いなさそう。

1980年頃に25歳くらいだった彼らは現在70歳前後になっている。

僕の思い込みと思い入れのすべてを、一人のファンとしてMezzoforteに捧げます。

曲や音楽の解説ではないことをお断りしておきます。

・1970年代〜1980年代

とにかく元気がいいですね。聴けば楽しくなるような音楽ばかり。

クロスオーバーからの派生ではなく、最初からフュージョンありきの構成が多く感じられます。

1970年代の終盤といえば、例えばリー・リトナーがいるのだけれど、その音楽に共通のルーツは感じられません。

日本で言えば、カシオペアやスペース・サーカスの時代。

ロックとジャズをかけ合わせたような音楽はクロスオーバーと呼ばれ、器楽奏者の中で広く好まれたようです。

・音楽のデジタル化

1981年にMIDI規格が生まれます。

デジタルディレイが一般化したのもこの頃。

もう少し後になるとデジタルリバーブが100万円を切る値段で発売される時代になります。

そんな中で一番変わったのはシンセサイザではないだろうか。

コルグのデルタからヤマハDX-7の時代へと変わります。

それまでのアナログシンセサイザのフィルタといえば、メモ書きや写真に残しておくので精一杯。

坂本龍一さんもY.M.O.のときには写真をたくさん撮って、作った音を再現していたそうな。

そんな時代と合致したのか、今風に言えば「アナログ楽器と電子音のコラボ」の音楽がもてはやされるようになりました。

マイルス・デイビスもジャズの中にシンセサイザを登場させました。

そんなデジタル楽器黎明期に一躍有名になったのがMezzoforte。

先のY.M.O.がテクノで一時代を築いたように、Mezzoforteはフュージョンで一時代を築きました。

同時期で有名だったのはフルーツケーキ。オランダだったかな?

Mezzoforteとフルーツケーキで人気を二分していたようです。

他にもデイブ・グルーシンやイエロージャケッツなど、名前を書ききれないくらいの人・バンドがいて、音楽がとても楽しい時代だったように思います。

・1990年代

どんな音楽にも流行り廃りがあります。フュージョンも例外ではありません。

1990年代初頭にフュージョンが飽和してしまいます。

日本で言えば「T-スクエア」の頃くらいだろうか。

1980年台の終盤にカシオペアが大コケをしてバンドもほぼ解散状態。

時代背景を考えれば、それは必然だったのかもしれません。

90年代半ばから2000年にかけて、驚くほどの速さでフュージョンが衰退… というよりも、それ以上の速さでテクノやトランスが世界を席巻します。

いわゆる「打ち込み音楽」ですね。

いろいろな派生音楽を生みながら、いずれそのテクノやトランスですら時代の狭間に忘れ去られてしまいます。

2000年になる頃には、もうほとんどフュージョンという言葉を聞くことがなくなりました。

ジャズやインストの中のひとつの音楽として、21世紀を迎えます。

・2000年以降

Mezzoforteというバンドは残りましたが、昔々のMezzoforteがデビューした頃の音楽は失われました。

メンバーが年を取ったということもありますが、1990年になる頃からはジャジーな曲やブルージーな曲が多くなります。

バンドのサウンドは普遍的なものではないけれど、昔のようなMezzoforteサウンドを求めていた人たちからは『これじゃない』と言われるようになります。

これはどちらにとってもしょうがないこと。長く活動をしているバンドには、多かれ少なかれこういった話がよく聞かれます。

・アルバム

そんな時代の中で、時代が下がれば下がるほどMezzoforteはアルバムが少なくなります。

日本国内での販売も聞かれなくなりました。Mezzoforteが解散したのかと思ったほど。

輸入盤でしかMezzoforteを聴けなくなり、中古CDを探すくらいしか買う方法がなくなりました。

僕も忘れていて、気が付いた頃にはもうCDの弾数が少なく買える状態ではなくなりました。

上の写真は、おそらく日本で一番入手困難なMezzoforteのアルバムの中の1枚に数えられると思う。

ライブCD2枚 + DVD1枚のセット。

輸入盤でPAL方式とNTSC方式があるようで、僕が持っているのはPALらしく普通のDVDデッキでは観られません。

ケースには NTSC と書いてあるのにどういうことなのかよくわかりませんが、観られないことだけは確か。

相場は3万円くらい。

でも、お金を出せば買えるのだから、まだマシなのかもしれませんね。

僕が欲しくて探しているアルバムは、主要な中古CDショップでは見かけることがありません。

もう聴けないかもしれません。

2000年以降のMezzoforteのアルバムは、そんなのばかりです。

・移りゆく音楽

1970年代終盤〜1990年頃まではフュージョン期と呼んでも良いと思う。

明るく元気の良い音楽から、大人の落ち着いた都会派音楽へと変わるものの、昔のままのMezzoforteらしい音楽だと思う。

1990年を過ぎる辺りから、クロスオーバーのような音楽に逆行しているような時期があります。過渡期と呼んでもいいくらい。

2000年台に入ると、ジャズがどうかしたような音楽へと変わります。

デビュー直後と比べると、同じバンドが演奏しているとは思えないほど様変わりしています。

フュージョンファンが離れるのも無理はない。やっている音楽はフュージョンとは言えない音楽へと変わっているからです。

・個人的な見解

僕はフュージョンというよりMezzoforteのファンなので、2000年台以降のジャジーでブルージーなMezzoforteサウンドも大好きです。

行き詰まりを見せていた頃よりも、すごく伸び伸びしていて好きなんですよ。

フュージョンから、いわゆる『スムース・ジャズ』へと移り変わったMezzoforte。

若かった頃よりも和音の進行がMezzoforte節をしていて、そこが単純にカッコいいですね。

音の響きを楽しんでいるようで大人の余裕が感じられます。

ギターの Friðrik Karlsson のクセであろう音使いがとてもハマっています。

1980年初頭のわかりやすい音楽も良いのだけど、成熟しきった2010年頃の音楽もとても好きです。

ただ、長回しで掴みどころがない音楽も多くなりました。

モード・ジャズのような、やっている人が楽しんでいるような音楽が増えたように思います。

昔のファンがついてこれなくなったのは、この辺りが原因なのではないだろうか。

・メンバー

メンバーについて少しだけ。

ギタリストのFriðrik Karlssonもソロアルバムを出しているのですが、僕は一枚しか持っていません。

ベースのJóhann Ásmundssonもアルバムを出しているけれど、聴いたことがない。


手に入ることは稀だけれど、機会があればMezzoforteのアルバムもメンバーのアルバムももっと聴いてみたいと思います。

ファンの一人として、これからのMezzoforteの活躍にも期待をしています。

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